2020年度観光庁予算は前年比1.01倍の715億円、うち国際観光旅客税が511億円

政府は12月20日、2020年度予算案を閣議決定し、観光庁予算を前年比ほぼ同等の1.01倍で過去最大となる715億円とした。そのうち511億円を、2019年1月7日より出国旅客に対して課している国際観光旅客税が占める。

国際観光旅客税は、船舶・航空機での出国旅客に定額・一律1,000円の負担を求めるもの。訪日外国人旅行者を2020年までに4,000万人、2030年までに6,000万人とする政府目標の実現に向け、出入国手続きの高度化や世界水準の受入環境整備、地域資源を活用した新たな観光コンテンツの拡充など、特に新規性・緊急性の高い施策・事業に財源を充当する。

予算は中心となる3つの分野である「ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備」に274億円(うち旅客税220億円)、「我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化と観光産業の基幹産業化」に157億円(うち旅客税63億円)、「地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上」に237億円(うち旅客税228億円)を充てる。そのほか観光統計の整備に6.5億円、その他経常事務費等に6.7億円、東北復興財源に34億円を充てる。今回新たに加わったのは「教育旅行を通じた青少年の国際交流の促進」と「観光地域づくり法人による宿泊施設等と連携したデータ収集・分析事業」でそれぞれ、1千万円と1.6億円を充てる。

具体的な使途は、顔認証ゲートやバイオカートの整備、ディープラーニング技術を活用した個人識別情報システムの導入等による円滑な出入国、海外出発空港における事前審査(プレクリアランス)の導入のほか、搭乗手続きの自動化や顔認証化等によるFAST TRAVELの推進、多言語対応や無料Wi-Fi、トイレの洋式化、キャッシュレス決済対応等の公共交通利用環境の革新、ICT等を活用した多言語対応、オリパラ開催を起爆剤とした訪日プロモーション、日本政府観光局(JNTO)のサイトやSNS等を活用したデジタルマーケティング、などとなっている。

宿泊業については「宿泊施設の生産性向上推進事業」として5,800万円を充て、各宿泊施設の生産性向上・組織内における業務量の平準化や、勤務時間の短縮のために有効なマルチタスク導入に向けたシンポジウムを全国各地で実施するほか、時期によって閑散期が異なる地域内外の宿泊施設等が連携して運営にあたる仕組みの創出に向けたモデル事業を行う。さらに、業務改善に取り組む宿泊施設を支援するため、生産性向上の取組・手順に係るガイドラインを作成する。

民泊に関しては、2017年度より項目が設けられている「健全な民泊サービスの普及」のため、2020年度予算では前年比100万円増となる1憶9,400万円を充てる。住宅宿泊事業法等に基づく民泊事業に関わる制度運営に係る管理システムとコールセンターの運用や、同システムに仲介業者とのシステム連携による営業日数等の自動集計機能を追加する。また、違法民泊の排除等を促進するため、違法性が疑われる物件の確認に係るシステムの運用を行う方針だ。

【参照ページ】令和2年度観光庁関係予算決定概要
【参照ページ】国際観光旅客税の使途に関する基本方針等について

(MINPAKU.Bizニュース編集部)