相続した家を売りたくない…空き家の維持費用やおすすめの活用方法は?

親の家を相続した人の中には、毎年の維持費がどれくらいかかるのか不安に思う人も多いでしょう。相続した家が空き家の場合、空き家のまま放置するのではなく、有効活用できる方法を知りたいという方も少なくありません。

そこでこの記事では、空き家の維持にかかる費用と空き家の活用法、国や地方公共団体の空き家対策について詳しく解説していきます。

この記事を読めば、空き家を有効活用する方法だけではなく、あまり知られていない官民の空き家対策を知ることもできます。空き家を抱えて悩んでいる人はぜひ確認しておいてください。

1.空き家を相続した場合の注意点

まずは、空き家を相続した場合の注意点を解説します。空き家の維持には数々の費用が必要になるため、金銭面から所有し維持していくことが可能かどうか判断する必要があるためです。

また、対策せずに空き家を放置していると「特定空き家」に指定され、固定資産税が高くなる可能性もあります。まずは家を相続した場合の注意点について見て行きましょう。

1-1.空き家の維持にかかる費用

空き家は、使用していなくても所有しているだけで維持費がかかります。まずは1年間にかかる維持費を確認していきます。

たとえば、築30年の中古住宅を相続した場合、1年間にどれくらい維持費がかかるのかを考えてみます。仮に、固定資産税評価額は土地1, 000万円、建物300万円とします。

  • 土地の固定資産税:1,000万円×1/6×1.4%=約2.3万円
  • 土地の都市計画税:1,000万円×1/3×0.3%=約1.0万円
  • 建物の固定資産税: 300万円×1.4%=4.2万円
  • 建物の都市計画税: 300万円×0.3%=0.9万円
  • 水道代・電気代(基本使用料):約2.7万円
  • 火災保険料:約12万円
  • 庭木の伐採代:約3万円
  • 合計:約26.1万円

上記の例はあくまでも試算ですが、このケースでは空き家を所有しているだけで年間に約26万円もかかります。さらに注意したいのが、火災保険の扱いです。空き家の場合、加入できる保険会社が限られてしまう可能性があるためです。

今までの火災保険をそのまま継続すると、被害にあった際に保険が下りないケースもありますので確認が必要です。

1-2.「特定空き家」の指定に注意

「特定空き家」の指定にも注意が必要です。2015年5月26日に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が全面施行されたためです。

この法律により、管理不十分で放置することが適切でない空き家(特定空き家)に指定されると、固定資産税が減税される「住宅用地の特例」から除外されてしまいます。

下記の表は住宅用地の特例で受けられる優遇措置です。

土地の状態 固定資産税
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 課税標準×1/6×1.4%
更地(建物がない状態) 課税標準×1.4%

「特定空き家」に指定されると、建物があるにもかかわらず、更地とおなじ固定資産税が課税されます。つまり、土地に対して6分の1に軽減されていた固定資産税の特例がなくなってしまうことになります。

2.主な空き家の活用方法4つ

次に、空き家の活用法を以下に4つ確認してみましょう。

  • 第三者に貸す
  • 更地にして貸す
  • 定期的に維持管理をして所有する
  • 自分で住む

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1.第三者に貸す、賃貸経営を検討する

1つ目の活用法は、第三者に貸すことです。築年数が比較的新しく、立地条件もよい空き家なら、賃貸にして家賃収入を得ることが可能です。小規模な修繕やハウスクリーニングをして、居住用として貸し出します。

メリットとしては、家賃収入によって毎年の維持費を相殺し、利益を生み出せる可能性がある点です。一方デメリットとしては、入居者が入らないと収入が得られず投資金を回収できなかったり、退去時の原状回復や入居手続きの手間が発生する点です。

また、建物の老朽化がはげしい場合には、多額のリフォーム代が発生することもあります。

2-2.建物を解体し更地として貸しだす

2つ目の活用法は、更地にして貸すことです。築年数が経過し、建物の修繕費用が多くかかる場合は、解体して更地として利用することが検討できます。

たとえば駐車場や法人の資材置き場として貸し出すことが考えられます。メリットとしては、建物を管理する経済的・心理的な負担がなくなることです。さらに「特定空き家」に指定されることもありません。

デリットとしては、解体費用がかかる点(約4~5万円/1坪)や建物がなくなることにより、固定資産税等の軽減措置が受けられなくなることが挙げられます。

2-3.定期的に維持管理をして所有する

3つ目の活用法は、特定空き家の指定を避けるために、定期的に維持管理をして所有することです。この方法であれば第三者に貸すわずらわしさや、高額な建物の解体費を避けることができます。

メリットとしては、思い出の多い家を取り壊さずに済む点や、将来自分や子どもたちが住むという選択肢を残せることでしょう。

しかし、この方法では収入は得られず前述したとおり維持費が毎年かかってしまうデメリットや、特定空き家に指定されてしまうリスクがあります。デメリットやリスクを踏まえたうえで、定期的に維持管理することが可能かどうか慎重に判断することが大切です。

2-4.空き家をリフォームして自分で住む

4つ目の活用法は、自分で住むことです。どうしても売却や賃貸が難しい場合、自ら住むことで修繕やリフォームも必要最小限に抑えることが可能です。

メリットとしては、今まで住んでいたところの住居費を節約できる点です。デメリットとしては、仕事や学校等の生活全般に影響するため、すぐには実行できない点が挙げられます。普段のライフスタイルがどのように変化してしまうのか予測を立てておき、慎重に検討しましょう。

空き家の活用方法に迷ったら

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ここまでご紹介した空き家の主な活用方法以外にも、賃貸併用住宅や太陽光発電、老人ホームの運営など様々な活用方法があり、それぞれメリット・デメリットや向き・不向きがあります。

例えば、賃貸需要が少ない立地では空き家を賃貸する難易度はやや高いと言えますが、人口が少ないために周囲の建物の高さが低く、太陽光発電に適したエリアである可能性があります。

その他、空き家を立て直して居住するのであれば、居住しながら家賃収入が得られる賃貸併用住宅が検討できる場合もあるでしょう。

このように、まずは所有する空き家でどのような活用が検討できるのか、どのような選択肢があるのか調べておき、それぞれの方法を比較検討することが大切です。複数の企業から様々な活用方法の提案が受けられるサービスを利用し、検討できる活用方法について比較してみましょう。

3.官民による空き家対策の推進事例

総務省の「住宅・土地統計調査」によると、2018年の空き家の総数は、20年前に比べて約1.5倍(576万戸から849万戸)に増加しました。今後も少子高齢化と人口減少によって空き家は増加傾向にあると考えらます。

このような状況を受けて、国や地方公共団体、民間企業等が、さまざまな空き家対策を推進しています。以下より詳しく解説していきます。

3-1.「空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行

空き家対策のため、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」が施行されました。「空家法」により空き家の実態把握や所有者の特定、空き家及びその跡地の活用等、市町村が空き家対策を進める枠組みが整えられています。

2020年4月、国土交通省は空き家対策の現状報告をしました。主なポイントは以下の3点です。

  • 空家等対策計画が全市区町村の63%で策定されていること
  • 「特定空き家」の除去等の件数が7,552件であったこと
  • 「空家法」の措置以外でも空き家対策が進み、約77,000件の空き家の除去が行われたこと

建物の老朽化が進んでいたり、倒壊の危険があったりする空き家は特定空き家に指定される可能性があります。除去等の措置が取られる可能性があるため、さきほど紹介した4つの活用法を検討した方が良いでしょう。

3-2.東京都の空き家対策

東京都では、専門家による相談窓口を設置しているほか、空き家所有者からの相談に無料で応じる事業者を選定し、空き家問題に取り組んでいます。

また、過去にはNPO法人空家・空地管理センターやミサワホーム株式会社等をモデル事業者として「東京都相続空家等の利活用円滑化モデル事業」を実施しました。

このように、都市によって公的機関が空き家対策に積極的な支援をしている場合があります。空き家を保有しているものの、「売りたくない」「活用したい」と思っている人は確認しておくとよいでしょう。

3-3.一般社団法人全国空き家バンク推進機構の取り組み

空き家バンク推進機構では、武雄市長時代にTSUTAYAと組んだ図書館で有名になった樋渡氏を理事長に迎え、空き家問題に取り組んでいます。具体的には空き家・空き地等の利活用を通じた地方創生・公民連携の推進をめざしています。

連携する自治体は、沖縄県今帰仁村・大分県別府市・秋田県北秋田市等です。さらには、「応援村 OUEN-MURA」プロジェクトや駐車場予約アプリ「akippa」と連携し、地域活性化や地方の駐車場不足の解消等にも取り組んでいます。

3-4.株式会社LIFULLの取り組み

株式会社LIFULLでは、不動産ポータルサイトで培った強みをいかし、「LIFULL 地方創生」というサイトを立ち上げました。「未来は、空き家にあった」というキャッチフレーズの下、空き家の再生を軸に、日本人に新たなライフスタイルを提案しようと試みています。

LIFULL地方創生の4つの柱は以下のとおりです。

  • 空き家情報のプラットフォーム化
  • 空き家活用の資金調達支援
  • 空き家活用のプロデュース
  • 空き家活用の人材育成とマッチング

この4本柱を支えとして、日本中の空き家再生と地方創生を進めていくとしています。釜石市・鯖江市・磐梯町・紀の川市等、賛同する自治体も増えつつあります。

まとめ

このように、「空家法」の施行後、空き家を取り巻く環境は少しずつ変化しています。国や地方公共団体だけでなく民間企業も空き家対策に積極的に参加しています。

相続した空き家に悩んでいる人にとって、今後も選択肢は増えていくでしょう。ぜひ、空き家問題を解決する際の参考にしてください。

※この記事は金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」より転載された記事です。
【元記事】https://hedge.guide/feature/utilization-inheritance-house-maintenance-costs.html

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