コロナ禍で民泊投資をやめる前に考えたい4つのこと、プロが解説

コロナ禍でインバウンド需要が激減し、民泊投資は厳しい状況にあります。既存の民泊事業者は、このまま続けるのか、それとも撤退するのか、瀬戸際の判断を迫られているといえるでしょう。

しかし、民泊事業を撤退する場合、これまでの投資金を回収できない可能性があります。撤退前に継続することができないか、慎重に検討することが大切です。

そこで、本記事では、民泊投資をやめる前の対応策、判断材料として、4つのことを挙げて考えてみます。

1.コロナ禍における民泊業界の現状(2020年8月時点)

コロナ禍で民泊は厳しい状況にありますが、宿泊業では内需復活の兆しもみられています。観光庁が2020年7月に発表した「観光統計」によると、6月の客室稼働率は全国平均で22.4%と、5月の12.9%から比べると上昇してきています。

Airbnbは、2020年6月7日~13日の間、同サイトを通じて予約された日本国内旅行の予約数が78%増と、国内の宿泊需要が回復していることを公表しています。これに呼応して、Airbnbでは「Go Near‐身近にある、特別な旅」キャンペーンを6月30日より開始しました。

また、2020年7月22日から、観光庁が「Go To トラベル事業」(東京都除外)を開始し、登録された予約サイトや宿泊施設を利用する旅行代金の2分の1相当額を支援することとしました。

民泊も対象となっており、2020年8月17日現在、全国各地の民泊業者、ゲストハウスなどが対象宿泊業者登録をしています。同事業による国内旅行需要回復が予想され、民泊業者もその恩恵を受けることが期待されます。

2.コロナ禍で民泊投資をやめる前に考えたいこと

コロナ禍で民泊投資をやめる前に考えたいことは、まずは、上述のような宿泊業のトレンドをどのように民泊に取り込んで生き残っていくか、という観点から事業としての戦略を見直すことが重要です。

そして、運営を続けた場合に生じる損失を見積もり、将来のインバウンド需要回復まで耐えられるのか、あるいはどこまで損失が広がるリスクを取るのか、について判断をする方がよいでしょう。

ポイントを次のように整理し、詳細を検討してみたいと思います。

  • 内需の取り込みを図る
  • 民泊以外への転用を検討する
  • 損失を見積もり、許容レベルを計る
  • コロナ関連の補助金、融資を受ける

4つのポイントをそれぞれ詳しく見て行きましょう。

2-1.国内旅行など、民泊に関連する内需の取り込みを図る

コロナ禍でインバウンド需要は当分の間回復を期待できない反面、政府施策やAirbnbのキャンペーンなどにより、国内旅行、特に近隣地域への旅行の需要は一時期より回復し始めているといえます。

Go Toトラベル事業については、利用者にとって半額補助のメリットは大きいといえます。民泊事業者も恩恵を受けられるよう、積極的に登録業者になることを検討しましょう。

また、海外からの一時帰国者、コロナ感染症検査陽性者の家族や濃厚接触者の自主隔離といったニーズの取り込みもwithコロナ期間の内需取り込みとしては有効といえます。

自主隔離ニーズには、同居家族のいる基礎疾患者が予防的に長期隔離をするというニーズも考えられます。民泊はホテル等と異なり共用スペースがなく独立空間を提供できるため、他者との接触に伴う感染リスクの軽減を目的とするニーズには、強みがあるといえます。

このようなニーズ専用の情報検索サイトがすでに開設されており、利用することを検討してもよいでしょう。

2-2.民泊以外への転用を検討する

民泊以外への転用としては、テレワークスペースとして活用することも考えられます。コロナ禍によって、人と人との接触を避けられる就業形態であるテレワークを採用する企業も増えており、今後もこの傾向は継続あるいは拡大すると考えられます。

大田区ではすでに民泊施設をテレワーク設備として運用する業者も現れています。その他にも、以前からよく見られる転用形態として、パーティーなどのスペース貸しやマンスリー賃貸があります。

時間単位のスペース貸しの仲介サイトやマンスリー賃貸の仲介業者などに登録することを検討しましょう。

2-3.損失を見積もり、許容レベルを計る

民泊投資からの撤退時期について、損失の許容レベルから判断することも重要です。

運営を続けた場合、家賃などのコストがかかります。固定費分のコストを宿泊料や転用した場合の収入で賄うことができなければ、いくらぐらいの赤字が出るかをシミュレーションします。

これに、撤退した場合に一時的にかかるコストを加味し、手元資金でどれぐらいの期間運営できるのかを推計します。撤退コストとしては、家具などの処分費、運搬費、部屋の原状回復費が挙げられます。

このデッドラインを下にして資金的な許容レベルを計算します。そのうえで、手元資金を他の普通賃貸などの投資に充てた場合とで運用益の差を比較検討してみましょう。

民泊を継続する場合は、他の投資との運用益の差が実質的な損失になっていると考えて、最終的に自らが背負うことのできる損失額の許容レベルを判断した方がよいでしょう。

2-4.コロナ関連の補助金、融資を受ける

コロナ関連の補助金や融資を受けて、急場を凌ぐことも一つの方法です。以下で、代表的なものをご紹介します。

最も代表的な補助金は、経済産業省の「持続化給付金」です。月間事業収入が前年同月比50%以下となる月(対象月)がある場合、2019年もしくは直前の事業年度の年間事業収入から対象月月間事業収入×12を差し引いた金額が給付されます。

法人では200万円、個人では100万円が限度額となります。2020年6月末の追加発表において、雑所得として確定申告をしている実質的な事業者も、条件を満たせば給付対象となることになりました。

他にも、同じく経済産業省の「家賃支援給付金」も民泊事業者が給付を受けられる可能性があります。

2020年5月~12月の売上高について、前年同月比50%以上減少もしくは、連続3カ月合計の売上高が前年同期比30%以上減少する場合、事業のため支払っている賃料があれば、その賃料に対して一定額が一括支給されます。法人では600万円、個人では300万円が限度額となります。

融資としては、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付が有効でしょう。直近1カ月の売上高が前年または前々年同期として比較して5%以上減少している場合、特別利子補給制度と併用することで、4000万円まで当初3年間、実質無利子で融資を受けることができます。(日本政策金融公庫「「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と「特別利子補給制度」の併用による実質的な無利子化融資のご案内」を参照)

まとめ

コロナ禍で民泊投資から撤退する前に、経営戦略を見直したり、補助金・融資を受けたりすることで事業を立て直せる場合もあります。

インバウンド需要回復まで持ちこたえるのか、それとも勇退するのか、本記事が判断材料の一助になればと思います。

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