大田区が民泊条例案に対するパブコメ結果を公表。住居専用地域の規制が論点に

東京都大田区は11月15日、民泊条例案に対するパブリックコメントの実施結果を公表した。今回のパブリックコメントは特区民泊における利用日数制限の2泊3日への短縮、および来年6月に予定されている住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行に先立ち、区独自の条例制定に向けた区民の意見を募る目的で実施されたものだ。10月24日から11月6日までの2週間で19件の意見が集まった。全ての意見は大田区HP上で公開されている

大田区は今回のパブコメ募集にあたり、大田区住宅宿泊事業法施行条例案(仮称)として、新法下における民泊を地域における良好な住環境の保全のため「ホテル・旅館」の建築が可能な用途地域でのみ実施可能とするという案を公表していた

この条例案に対する区民からの意見の中で特に目立ったのは、民泊新法において住居専用地域であることのみを理由としてその全域において民泊を認めないのは、民泊新法の趣旨に反しており、違法であるという意見だ。

住宅宿泊事業法18条では「都道府県は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができる。」と定められており、住居専用地域の民泊を一律で禁止することは、この「合理的に必要と認められる限度」を超えているというのが主な主張の根拠だ。

これらの意見に対し、大田区は実施地域については住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化の防止のため必要最小限の適切な地域指定と考えていると回答している。なお、特定地域において実施可能な期間を0日とすることについては、この制限については旅館業法の今後の改正や民泊新法制度が及ぼす影響など不明な点が数多くあることから実施可能な期間については検討中であるとしている。

また、大田区は条例案で「施設の使用方法の説明体制(対面での説明)」を規制項目に含めており、この項目に対しては「対面説明の義務化は民泊新法の法令上の義務を超えている」という意見も上がっていたが、大田区は宿泊者の安全を守るうえでも対面その他確実に宿泊者を確認できる方法で説明ができる体制を確保することがより好ましいとしつつ、対面説明は届出の必須要件とはしないと回答している。

今回のパブコメ募集では全体として新法下における民泊の規制をできる限り少なくするよう要望する声が目立った形となった。大田区が今回の結果も踏まえて最終的にどのような条例を定めるのか。他の自治体に先駆けて「特区民泊」をいち早く開始するなど民泊に対して積極的な姿勢を見せてきた大田区だけに、今後の動向には注目が集まる。

【参照サイト】民泊条例案(特区民泊及び民泊新法)に対する区民意見公募手続(パブリックコメント)の実施結果について
【参照ページ】民泊条例案(特区民泊及び民泊新法)に対する区民意見公募手続(パブリックコメント)に提出された意見要旨及び回答について
【参照ページ】民泊条例案(特区民泊及び民泊新法)とパブリックコメントの実施について
【関連ページ】東京都大田区の民泊・旅館業簡易宿所・特区民泊に関する条例・法規制

(MINPAKU.Biz ニュース編集部)