大阪「民泊」スタートするも利用者ゼロ

読売新聞の報道によると、大阪府の「民泊」条例で、制度開始以降の1か月間に申請のあった宿泊施設は1件にとどまり、利用者もゼロだったことが分かった。

条例施行日の4月1日以降に府内で認定された「民泊」施設は、宿泊予約サイト運営会社「とまれる」が申請した大東市内のマンションの一室だけとなっており、4月8日からインターネット上で宿泊者の受付を開始したが、今月2日現在、利用実績はないという。さらに、東京都大田区の認定件数も、当初想定の100件程度を大幅に下回り、施行から3か月間で12件35室にとどまっている。

観光・レジャーを目的とした訪日外国人の平均泊数は 6.1泊であるが、同じ地域に留まるのではなく、2日間は東京、3日目からは大阪といったように様々な宿に宿泊するのが一般的であり、同じ宿泊施設に長期間宿泊することは稀であるという。国は既存のホテルや旅館への配慮から規制緩和の対象を6泊7日以上の宿泊に限定しているが、当初から「旅行者のニーズに合わない」との指摘が出ていた。

一方、事業者の参入を抑制している要因としては、府条例の適用対象が府内43市町村のうち33市町村であることや、旅館業法を所管する保健所がある政令市の大阪、堺の両市と中核市の6市は独自の条例が必要で、4市は当初の参加を見送ったこと、さらに宿泊トラブル対策として、周辺住民との事前協議や、24時間対応の苦情窓口の設置を義務づけたこと等があげられている。

また、特区制度とは別に、同じ4月1日から全国でスタートした「簡易宿所(簡宿)」の面積要件緩和による民泊制度も、活用が伸び悩んでいるという。民泊を旅館業の簡宿に位置づける内容で、特区のように宿泊期間の制限はないが、建築基準法上、「住宅」から「ホテル・旅館」への用途変更が求められることや、建物によって火災報知器を設置する必要があることなどの手間から、府内の申請はほとんどないという。

松井一郎知事は5月中にも国に要件の緩和を要望する方針だ。

ホテルや旅館への配慮はもちろん必要ではあるが、結果的にニーズが無ければ成り立たない。しばらくは様子見が続くと予想されるが、国の対策が急がれる。

【参照ページ】「民泊」の利用ゼロ、大阪府の条例施行1か月

(MINPAKU.Bizニュース編集部 平井 真理)

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