大阪地裁、マンションでの民泊無断営業で50万円の賠償命令

空き部屋などに旅行者を有料で泊める「民泊」を無断で営業したとして、マンション管理組合の理事長が部屋を所有していた男性に損害賠償などを求めた裁判が大阪地裁で1月14日まで行われ、男性に対し請求通り弁護士費用分の50万円の支払いを命じる賠償命令が下されたことを日本経済新聞が1月14日付けで報じた

判決によると、男性は2007年に大阪市中央区ミナミの15階建てマンションの一室を購入し、2014年11月頃から2016年8月頃まで旅行者らを有料で宿泊させた。Airbnbにも掲載し、1日あたり1万5千円で貸していた。

大阪市では民泊を行う際、旅館業法に基づく許可もしくは国家戦略特別区域法に基づく国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(いわゆる特区民泊)の特定認定を受ける必要がある。大阪市での特区民泊は2016年10月に開始され、男性が貸し出していたころには大阪市は民泊特区ではなく、男性の民泊運営はいわゆる無許可民泊の状態であった。

管理組合は2015年3月に臨時総会で管理規約を改め、各部屋を不特定多数が宿泊する施設として使用することを禁止する対策を講じていたが、男性による貸し出しが続いたことから提訴した。ごみの放置のほか、旅行者らが共用玄関などで騒いだり寝転んだりするなどのトラブルから、警察も出動していたという。

管理組合側は男性に対し、損害賠償と使用の差し止めを求めた。判決理由で池田聡介裁判官は、「男性の行為は民泊営業に当たる」としたうえで「旅館業法の脱法に当たる恐れ」があり、マンションの管理規約にも違反する」とした。男性側の「管理組合側の好みで所有者の経済活動が制限されてはならない」との主張は「経済活動の範囲を逸脱している」と退け、男性に対し、弁護士費用にあたる50万円の支払いを命じ、民泊営業の差し止めに対しては男性が係争中に部屋を売却したことから請求を退けた。

こうした事例にみられるように、マンション住民の住環境がむやみに侵害されるほどのゴミの放置や騒音が発生する事態が生じるか、そのおそれがある場合には、管理規約の変更を伴う住環境の整備が図られるのも必然だろう。

民泊運営が旅行者の旅の手助けとなることも事実だが、今回の判決は、周辺の住環境への配慮を怠り適切な管理運用がなされなかった点が問題視された結果のあらわれともいえる。旅館業法を取得して旅館業を営む事業者が公衆衛生の向上という目的も伴って規制されている以上、そのような側面にも目が行き届くような民泊運営の普及も今後の課題となりそうだ。

【参照ページ】民泊無断営業で賠償命令 大阪地裁、元マンション所有男性に

(MINPAKU.Bizニュース編集部 平井 真理)