民泊の為にも実効ある支援措置を。マンション管理業協会が国土交通大臣に要望書提出

 一般社団法人マンション管理業協会(以下:マンション管理業協会)は3月9日、石井啓一国土交通大臣に対して「今後のマンション政策のための要望」を提出した。

 マンションの高経年化や良好な管理に伴う外部専門家の活用方法、居住者ニーズの変化への対応など、マンション居住の質向上を計るのが狙いだ。マンション管理業協会は同要望書の中で、「民泊」についても取り上げている。

 同協会は、居住を目的とするマンションは生活の本拠としての平穏さを確保することが必要であるとしたうえで、民泊のルール化をする際にはその点について管理組合・居住者の意向を第一に尊重するよう配慮を求めた。

 マンションにおける民泊をめぐっては、騒音やセキュリィ面など近隣住民と旅行者とのトラブルに関する懸念が取り上げられることが多い。マンション管理業協会は、民泊を行う旅行者は建物設備に対する利用意識やマナー、生活習慣などが居住者と異なることを指摘している。

 しかし、旅行者に対してマナーに関する配慮を求めることは可能だが、現実的には旅行者同士の会話の声や旅行スーツケースを引きずる音など、マンションの日常にはない一定の騒音が民泊により生まれることは避けられず、「住民に配慮したルール化」だけでは補いきれない部分もある。そうなると、重要になってくるのは防音壁等の設備面の強化だ。

 近年のマンションでは、防音に優れた壁や床が一般的なものとなっているが、高経年化マンションにはそのような設備が無いばかりか、耐震性に問題のある物件も多い。原因としては、度重なる耐震基準の改正にマンションが対応しきれずにいることが挙げられる。防音や耐震等、設備を整えようにも、消費税率引上げやリフォーム工事費の高騰も相まって、計画的に積み上げてきたマンションの修繕積立金でも賄い切れない現状がある。これに対し、マンション管理業協会は適切な計画修繕等の実施に向けた、実効ある支援措置を求めている。

 石井大臣からは「標準管理委託契約書の改訂及び外部専門家活用についてのガイドライン作成について、検討を進めていきたい。また民泊については、管理組合等の意向を尊重し十分な配慮をしていきたい」との発言があったという。

 マンションの居住と民泊利用は一見水と油のようだが、適切な管理と設備が整えば、トラブルが減少するばかりか、資産価値も高まり、居住者にも民泊利用者にもプラスになる可能性もある。今やマンション戸数は610万戸を超えており、居住者も1,500万人以上と、日本の都市部における基本的な居住形態であるだけに、迅速な対応が求められる。

【参照リリース】石井啓一国土交通大臣への要望について

(MINPAKU.Biz ニュース編集部 平井 真理)