軽井沢町、民泊を全域で認めない方針を公表。自然環境の保全を重視

日本屈指の避暑地として知られる長野県軽井沢町は3月30日、町内全域において貸別荘を除く民泊を認めない、とする新たな民泊施設に関する取扱い基準を公表した。同町は民泊を禁止する理由として「軽井沢町の良好な環境の保持を最優先し、清らかな環境と善良なる風俗を守るため」と説明している。今回公表された取扱い基準は下記の通り。

取扱基準

  1. 民泊施設(貸別荘を除く)は、町内全域において認めない。
  2. ベッド上で起臥できるだけの大きさのカプセル状(箱形)の小室を並べた簡易な宿泊施設(いわゆる「カプセルホテルその他これに類する施設」)の設置は、町内全域において認めない。

ここでの「民泊施設」とは、政府が4月1日より改正する旅館業法施行令により延床面積の規定が緩和されたことにより生じる簡易宿所のことを指す。また、貸別荘の基準についても下記の通り定めている。

貸別荘の取扱基準について

  1. 貸別荘とは、生業として、不特定の者に1ヶ月以上の契約期間で賃貸する戸建ての住宅をいう。
  2. 第1種低層住居専用地域及び自然保護協定等の締結地において、貸別荘はできないものとすること。
  3. 貸別荘の建設又は既存建物から貸別荘へ用途変更を行う場合は、「軽井沢町の自然保護のための土地利用行為の手続等に関する条例」の規定に基づき事前協議を行うものとすること。
  4. 不特定の者が宿泊することとなり宿泊施設と類似であることから、近隣説明を実施する範囲は、行為地の敷地境界線から50mの範囲とすること。
  5. 軽井沢町の善良なる風俗を維持するための要綱を尊重した利用規約を作成し、利用者に対して静穏の保持及び善良なる風俗維持を徹底させるものとすること。なお、転貸は不可とすること。
  6. 関係法令等を遵守し、公序良俗を損なわないものとすること。
  7. 町内に常駐する管理運営責任者を定めるものとすること。
  8. 万一、苦情等が発生した場合、管理運営責任者は、速やかに善処するものとすること。
  9. この基準の適用の際、現に実施されている事業については、この基準の規定は、適用しない。また、現に実施されている事業について、同程度の改築は可能とする。

軽井沢の平成27年の年間観光客数は約837万人で、観光客数はここ3年間で毎年増加し続けている。軽井沢といえば「別荘」のイメージが強いが、1ヶ月以上の契約期間で賃貸する貸別荘を除き、民泊施設を町内で全面的に禁止することで短期的な民泊客の増加に歯止めをかけ、地域のホテルや旅館、そして静かな自然環境を守るのが狙いだ。ただし、同基準はあくまで軽井沢町としての方針・姿勢で、法的な強制力はない。

【参照リリース】民泊施設等の取扱基準を設けました
【関連ページ】長野県の民泊・旅館業簡易宿所に関する条例・法律・規制

(MINPAKU.Biz ニュース編集部)