兵庫県、民泊トラブル防止に向けた指導要領を策定へ

政府が4月1日から旅館業法を一部改正し、簡易宿所の枠組みを活用して民泊の規制緩和を開始したことを受け、兵庫県は4月8日までに、民泊サービスを行う個人や事業者向けに、周辺住民とのトラブル防止措置などを盛り込んだ指導要領を定めることを決定した。

各紙の報道によると、指導要領には民泊サービス提供者の責務として宿泊者による騒音やごみなどの迷惑行為の防止や苦情窓口の設置、サービス実施前の住民説明会の開催などを求める内容が盛り込まれ、兵庫県は保健所を持つ神戸市など4市と調整のうえで、5月の施行を目指すという。

兵庫県の井戸敏三知事は、4月4日の定例記者会見で民泊に対する県としての姿勢を尋ねられた際、4月1日からの政府の規制緩和は「民泊という範疇の秩序化という意味で望ましい一歩を踏み出した」と評価しつつ、「これで近所迷惑のような問題を解決することには繋がっていないため、6月までにどういう対策を国として行うことになっているのかを見極めて、昨年の12月以来、地域の環境を守るという意味での規制が必要かどうかという検討してきています。」と語っていた。

また、同氏は「特区の規制緩和だと、大阪府は条例化しましたが、7日以上泊まり続けないと民泊の規制緩和になっていません。現実に7日以上泊まるようなお客さんは非常に少ないはずです。松井知事も3日以上くらいに下限を下げないと意味がないのではないかとおっしゃっておられるようです。私もその考え方に賛成します。従って、6月までにそのような面についても一定の配慮がなされることを期待したいと思っています。」と語り、特区の規制緩和についても民泊の実態に合わせた制度づくりが必要だとの考えを示していた。

井戸知事は昨年12月の会見でも、兵庫県の場合は通常のホテル・旅館の利用率が上がらないといけない状況であり、民泊への対応については切羽詰まった状況ではないとしつつ、民泊は地域の環境課題として捉えることが重要だと話していた。

民泊規制緩和に伴い、自治体として独自の対応を公表したのは、東京都台東区、長野県軽井沢町に続いて兵庫県が3事例目となる。これらの自治体が共通して配慮しているのは、民泊により訪れる観光客が与える地元の旅館・ホテル業への悪影響や地域の環境保全、地域住民とのトラブルといった懸念だ。

インバウンド需要を上手に地域経済の活性化につなげつつ、いかに住民の理解を得ながら地域の環境を守っていくのか。政府と同様に各自治体もバランス感覚のある政策意思決定が求められている。

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【参照記事】知事定例記者会見(2016年4月4日(月曜日))

(MINPAKU.Biz ニュース編集部)

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