外務省、1月から中国人訪日観光客のビザ発給要件を緩和。消費拡大に期待

外務省は1月19日、訪日中国人観光客の観光ビザの発給要件を緩和した。外務省は昨年11月、日中間の交流および観光業の推進、地方創生を目的として中国人観光客に対する数次ビザの発給要件を緩和することを決定、発表していた。

主な変更点としては、これまでは中国人の個人観光客については年収25万人民元(約430万円)以上で最初の訪日時に沖縄県または東北三県(岩手県、宮城県、福島県)のいずれかの県に1泊以上するものに限り数次ビザ(複数回入国ビザ)が発行されていたが、新たに緩和された要件では年収25万人民元未満の場合でも過去3年間に日本への入国履歴があれば数次ビザの取得が可能となったほか、年収25万人民元以上の人々については上記の入国地域の制限も撤廃された。

外務省は3.11の震災以降、日本、特に東北地域に訪れる外国人観光客が大幅に減少する中で特定地域の経済復興を目的として入国地域制限付きの数次ビザ発行を開始した。しかし、このビザを取得した観光客の多くは東北地域にとどまることなくすぐに東京や大阪などの主要都市に移動する傾向が著しく、期待する効果をなかなか得られなかった。

今回の申請条件緩和により、中国人観光客のビザ申請はより容易となり、これまで日本に入国歴(旅行や遊学など)がある人であれば誰でも数次ビザを申請できるほか、日本にいる親族を訪問するための親族ビザも緩和対象となり、数次ビザが発行されれば有効期間内に何回でも入国できるようになった。

なお、ビザ申請にあたっては、シングルビザの申請については最近米国やヨーロッパへの渡航歴のある人や、医者や弁護士などの高所得者は個人資産証明の提示は免除となる。また、それ以外の人は平均5万元前後の資産証明が必要となり、独身女性の場合は20万以上が目安となる。

数次ビザの申請については、年収10万元以上20万元未満の場合は航空券情報、沖縄もしくは東北地方(岩手、宮城、福島)での宿泊予約情報の提出、在職証明、年収証明、個人納税証明(直近1年間の納税額3000元以上)が必要となり、年収20万元以上の場合は在職証明、年収証明、個人納税証明(直近1年間の納税額22000元以上)が必要となる。

また、家族全員が日本旅行に行く場合は1人でも申請条件に満たせば全員が申請可能となるほか、年収50万元以上の人向けに有効期限が5年の数次ビザも新設された。さらに、固定収入のない人でも保有資産を証明できれば(銀行預金や不動産等)日本領事館の判断次第で申請が可能となった。

今回のビザ発給要件の緩和には、富裕層を中心により多くの中国人観光客を日本に呼び込み、地域の産業活性や地方創生につなげたいという狙いがある。観光局の統計では2014年1月~11月までの訪日中国人観光客の数は約220万人と前年同月比82%以上の増加を見せており、訪日外国人観光客の中でも中国人観光客の数はダントツのトップとなっている。また、中国人観光客の多くは欧米の観光客とは異なり買い物を目的として訪日するケースも多く、「爆買い」という言葉に代表されるように消費活性という面からの期待も大きい。

日本の民泊市場においても中国人ゲストの数は年々増えているが、観光業に関わる人々にとっては今回のビザ発給要件緩和は明るい材料の一つとなりそうだ。

【参照記事】2016出境游攻略_对中国免签和落地签国家汇总 全
【参照リリース】中国団体観光・個人観光ビザ

(MINPAKU.Biz ニュース編集部 華原)