Airbnb、東京大学と共同研究開始。民泊における社会課題解決の可能性を模索。

世界最大手民泊サイトを運営するAirbnbは1月12日、民泊(ホームシェアを含む短期賃貸)における社会課題解決の可能性について、東京大学 城所哲夫研究室(東京大学大学院 工学系研究科 都市工学専攻)および東京大学 大月敏雄研究室(東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻)と「民泊における社会課題解決の可能性」について共同研究を開始することを公表した。

具体的には、民泊を、交流人口の増加や新産業開発の切り口として、都市再開発、空き家対策、地方創生、中心市街地活性化等において、いかに活用できるかについて研究する。また、約20社のITサービス業、金融業、建設業等の様々な業種のメンバー・オブザーバーによる討議を開始し、今年5月に中間報告、2018年2月に最終報告を行う見通しだ。

現在想定している研究テーマは「民泊の定義の明確化」、「民泊を活用した都市再開発・空き家対策・地方創生・中心市街地活性化手法の検討」、「民泊の地域への効果的な導入において必要となるサービス・技術開発」、「メガイベントや災害など非日常時における民泊の効果的な活用方法」、「上記の取り組みが進んだと仮定した場合の2020年における経済波及効果予測」である。

共同研究を行う都市工学専攻の城所哲夫研究室城所准教授は、地方都市のイノベーションと活性化のための都市計画論研究を専門としている。今回の研究について「今日の都市において人と人とのつながりをいかに再構築するか、言いかえれば、まちのシェアのあり方が問われていると感じています。研究会を通じて、このようなまちづくりの新しい方向性を見出していきたいと思います。」と述べている。

また、建築学専攻の大月敏雄研究室大月教授は建築計画・ハウジング・住宅地計画を専門としている。今回の研究について「”空間が空いたからリノベして何かに使おう”ということから、”その空間の意味・意義・成り立ちや、周りの環境がもっている価値”にも注目しながらみんなの財産として育んでいく。そのことを通して、民泊という行為に、より深い意味とネーミングを豊かに与えていけるようなことができればいいなと考えております。」と述べている。

日本では、特に空き家の増加が社会問題になっている。2014年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が成立し、空き家対策が本格化しはじめた。総務省によると、平成25年の総住宅数は6063万戸であり、うち空き家は820万戸であったという。首都圏や沖縄県、愛知県などで人口が増加する一方、39道府県で人口が減少傾向にあり、これに伴う空き家の増加がみられる。地方創生と空き家対策は不可分であるといえる。しかし、国土交通省の調査によると、空き家を利用せず放置している物件は14%であり、長期不在や物置として利用、売却予定などの無人状態を含めると42%に上る。

Airbnbはこうした背景を踏まえ、2020年の東京五輪に向けて予想される国内の宿泊施設不足、2017年に予定されている民泊新法の制定等から社会変化のタイミングを迎えていると見ており、共同研究に踏み切った。民泊をどのように日本の社会に根付かせることができるかについて、想定される市場規模と具体的なソリューションを地方自治体の将来計画策定や同市場に参入しようとする企業に対する知見として提供することが可能になると期待を寄せている。

【参照ページ】Airbnb,民泊における社会課題解決の可能性について東京大学と共同研究を開始
【参照ページ】統計からみた我が国の住宅 (「平成25年住宅・土地統計調査(確報集計)」の結果から)
【参照ページ】戸建て空き家の利用状況等について

(MINPAKU.Bizニュース編集部 平井 真理)

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