Airbnb、北京および深圳にてホームシェアリング推進に向けたパートナーシップを締結

北京

民泊サイト最大手のAirbnbが、今や世界最大の旅行大国となった中国において徐々に事業拡大を進めつつある。統計によると、中国人旅行者は2015年、合計1.2億回もの旅行をしており、2012年以降は世界最大の旅行消費者市場となっているという。また、この動向はAirbnb上にも着実に現れてきており、旅行の際にAirbnbを使用している中国人旅行者の数は2015年に500%増加し、今やAirbnbの中で最も成長しているアウトバウンド市場になっているとのことだ。

そして、ゲストとしてAirbnbを利用して世界を旅した中国人ゲストは、自宅に戻った際、自身も同じようにAirbnbでの経験を広めたいと考え、その後にAirbnbホストになるという流れが多くあるという。

このように中国国内においてもホームシェアリングは地域社会に利益をもたらすという認識が徐々に広まりつつあるが、こうした流れを受けてAirbnbは9月の始め、ついに中国国内の2つのコミュニティ団体と同国内におけるホームシェアリング市場の健全な発展に向けてパートナーシップ契約を締結した。

一つは、北京にあるHuashouコミュニティ高齢者サービスセンターとのパートナーシップだ。中国国家委員会に関連した非営利団体「CNCA」が、同地域に暮らすシニア層に対し、ホームシェアリングがもたらす経済的・社会的利益について学べる機会を提供する。Airbnbがシニア向けの教育・トレーニングを提供し、Huashouコミュニティ高齢者サービスセンターは、同団体のメンバーに対してAirbnbの利用を促進する。

そして二つ目は、中国を代表する経済都市、深圳市との新たな覚書の締結だ。深圳市はイノベーションと起業家精神の文化を非常に重要視しており、同市は今回締結された覚書に基づきAirbnbと協力してホストらを教育し、起業家マインドを育成していく。

中国国外に目を向ければ、Airbnbは既に米国サンフランシスコやオランダのアムステルダム、カナダのオンタリオなど世界中の自治体と同様のパートナーシップを締結し、ホームシェアリングが地域コミュニティに利益をもたらす仕組みの構築に向けて協働を進めている。

今回の新たなパートナーシップ締結の発表に際し、同社は「我々はこれまでにも異なる文化を持つ人々が協働することで素晴らしい経験が生まれ、永続的な親善関係が生まれるのを見てきた。我々はこのような人々の直接的なつながりを支援できることを誇りに思う。我々あのミッションは、これからの人生を変える機会を創ることであり、人々と社会に本当の経済的利益をもたらすために、各地域や政府と協働してホームシェアリングを支援し続けていくことにある」とコメントしている。

中国国内ではAirbnb以外に途家や自在客、住百家といった中国初の民泊プラットフォームが多数存在しており、Airbnbは中国国内の旅行市場では苦戦を強いられているのが現状だ。しかし、Airbnbは中国人のアウトバウンド旅行においては既に一定の地位を確立しつつあり、Airbnbを利用した中国人ゲストらが、今度は国内においてホストとしてAirbnbの体験を広めようとしている。今後、Airbnbが各自治体らとも協働しながらどこまで中国国内の市場に浸透していくことができるのか。引き続き注目していきたい。

【参照記事】NEW PARTNERSHIPS WITH COMMUNITIES IN CHINA

(MINPAKU.Biz 編集部 佐々木 久枝)