Airbnb、日本企業36社とパートナーシップを締結。民泊新法施行に合わせて新戦略を公表

民泊仲介サイト世界最大手のAirbnbは6月14日、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行を前に、日本企業36社とともに世界初となる産業横断型のパートナーシップ「Airbnb Partners」を立ち上げたと発表した。パートナー企業の顔ぶれは、新法施行を機に民泊業界への参入を目指す大手企業から、以前から民泊市場で独自のサービスを提供してきたベンチャー企業まで様々だ。幅広い業界の企業と連携しながら、日本において「ホームシェアリング」という新しい文化の形成と経済活性化を目指す。

今回のパートナーシップはロイヤリティプログラムや特定のエアラインにおいてマイル特典を提供する「デマンド・パートナー」、民泊ホストの育成やホスト支援サービスを提供する「サービス・パートナー」、そして不動産開発会社などユニークなリスティングを提供する「サプライ・パートナー」の3カテゴリーに分かれているのが特徴で、ゲスト・ホスト・物件の3方向から日本国内における民泊のインフラを整える。

また、Airbnbは今回のパートナーシップ発表に加えて2020年までの2年間、およびその先を見据えた日本独自の戦略を公表し、7つの施策を明らかにした。

ゲスト利用を増加させるための施策としては、一定の条件を満たしたハイクオリティな物件だけを集めた新グレード「Airbnb Plus」の東京、大阪、京都への拡大、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が運営する日本最大のポイントプログラム「Tポイントプログラム」への加盟が挙げられる。Tポイントとの連携により、訪日観光客だけではなく国内旅行客による民泊利用の増加も狙う。この連携は2018年末までに開始予定とのことだ。

また、ホスト向けのサポート施策としては、Airbnbの公式パートナーのエアトリステイ社が提供する民泊運用支援ワンストップサービスをフランチャンズ化し、これまで東京や大阪など一部地域に限定されていたサービスを全国へと拡大する。民泊新法の仕組みを利用してこれから民泊を始めたい地方エリアのホストに対するサポート体制を充実させることで、日本に約800万戸以上ある地方の空き家活用も推進する。加えて、株式会社パソナと提携し、ホストの育成にも積極的に取り組んでいく予定だ。

そして、ユニークなリスティングの増加施策としては、全国各地でコミュニティ活性化プロジェクトを通じてその土地ならではの伝統や文化を活かした物件の構築を進めるほか、小山薫堂氏が率いるオレンジ・アンド・パートナーズとともに新しい「在宅型ホームシェア」を可能にする一戸建て住宅、マンションのデザイン・プロデュースも開始する。第一弾として、株式会社オープンハウスが「ホームシェアリング対応型住宅」を開発、年内の販売に向けた取り組みを開始する予定だ。

さらに、安心・安全な宿泊事業の実現に向けて、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と連携し、日本に適した保険プログラムも導入する。

民泊新法の施行を前にして掲載物件の約8割を失ったAirbnbだが、同社の戦略はより長期における民泊の普及を見据えたものとなっている。

新法に対しては「実質上の規制であり、シェアリングエコノミーの芽を摘みかねない」との指摘も多いが、法整備により民泊に対するネガティブなイメージが払拭され、民泊をめぐるインフラがより充実されていけば、民泊という新たな観光スタイルや民泊ホストという新しい働き方が文化として根付く可能性もある。

民泊という新しい産業は今はじまったばかりだ。これからAirbnbが日本企業らと連携しながらどのようにホームシェアリングを国内に広め、新しい経済の形を浸透させていくのか。今後の取り組みに期待したい。

Airbnb Partnersへの参加企業一覧は下記の通り(五十音順):
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、アソビシステム株式会社、株式会社あなぶきスペースシェア、株式会社イロドリ、株式会社エボラブルアジア、株式会社大塚家具、株式会社オープンハウス 、株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ、株式会社KADOKAWA、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社、株式会社KEY STATION、株式会社グランドゥース、SATO行政書士法人、スタジオアンビルト株式会社、西新サービス株式会社、セコム株式会社、全日本空輸株式会社、ソフトバンク株式会社、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、タマキホーム株式会社、中部興産株式会社、ナーブ株式会社、株式会社ニトリ、株式会社ハウジング恒産、株式会社パソナ、Peach Aviation株式会社、株式会社ビックカメラ、株式会社ファミリーマート、株式会社藤井ビル、株式会社プライムアシスタンス、株式会社ベンチャーリパブリック、matsuri technologies株式会社、株式会社みずほ銀行、メトロエンジン株式会社、モダンデコ株式会社、株式会社YMFG ZONEプラニング

(MINPAKU.Bizニュース編集部)