「なぜ人材企業のパソナが民泊をやるのか? シェアエコ時代の新しい働き方づくり」株式会社パソナ・加藤遼氏

2017年5月、日本を代表する人材ビジネス大手の株式会社パソナが、民泊仲介サイト世界最大手のAirbnbとの提携を発表した。来年に施行予定の民泊新法を見据え、これまでにも不動産・インフラ・ITなど幅広い業種の大企業が民泊市場への参入を発表していたが、人材業界のなかで民泊への参入を公表した大手企業はパソナが初めてとなる。

また、同社はAirbnbとの提携に続いて徳島市で毎年開催される「阿波踊り」期間中のイベント民泊の運営も受託、さらには宮城県南地域において日本初となる地域主体の「民泊推進ワーキンググループ」を立ち上げるなど、日本全国で民泊ビジネスを仕掛けはじめている。

なぜ人材企業であるパソナが、不動産や旅行に関わる「民泊」領域に積極的に関わろうとするのか。その目的はどこにあるのか。MINPAKU.Biz編集部では、仕掛け人となるパソナのソーシャルイノベーション部・副部長を務める加藤遼氏にその意図を聞いてきた。

話し手プロフィール:株式会社パソナ ソーシャルイノベーション部 副部長 加藤遼

パソナ入社後、大手から中小・ベンチャーまで幅広い業界・業種・規模の企業の人財採用・育成・活用支援に携わった後、行政・企業・NPOなどと連携して若者雇用、東北復興、海外展開、地方創生、観光立国、シェアリングエコノミーなどをテーマにした事業企画・開発・立上に取り組む。直近は、シェアリングエコノミーを活用した地方創生や新しい働き方の創造をテーマに、シェアリングワークやシェアリングシティの推進に注力している。また、地域活性化ベンチャーファンドの事務局として、起業家の発掘・育成、事業のインキュベーションに取り組み、出資先である地方創生やVISIT東北の事業開発・戦略担当役員も兼務。その他に、政府・自治体の政策委員や講演活動、NPOのマーケティング支援などにも参加している。

インタビュー

Airbnbとの提携にいたるストーリー

Q:民泊に関わろうと思ったきっかけは?

パソナグループは、「社会の問題点を解決する」を企業理念に、一人ひとりのライフスタイルに会わせた働き方を提案し、雇用創造に取り組んでいます。また、多様な才能を持った人材が集まって地域産業を活性化させる「人材誘致」による独自の地方創生事業も、重要な事業の柱として位置づけています。

地方創生事業をさらに推進していくため、個人が自らの資産や能力を活かす「シェアリングエコノミー」に注目し、昨年はシェアリングエコノミー協会と協定を結びました。地域に眠っている様々な遊休資産(空間、乗り物、モノ、人のスキル等)をシェアリングエコノミーを活用して提供していくことで、地域課題を解決しながら、地域に新たな雇用と経済効果の創出を目指しています。

今年5月にはAirbnb社とも業務提携し、空き部屋や空き家を活用することで、ゲストを招き宿泊体験を提供するホームシェアホストの育成事業『地域おもてなしホスト育成プログラム』を行っています。

個人的にも、仕事で全国の自治体の方々や地域で活躍するキーマンに出会うことが多く、シェアリングエコノミーを活用した新たしい働き方に注目していました。民泊をはじめて経験したのは、2015年にソーシャルイノベーションに関するカンファレンスに出席するためにサンフランシスコへ出張したときでした。参加者の方々と一緒にAirbnbで泊まるという経験をし、通常のホテル滞在とは異なり、まさに「暮らすように旅する」という体験ができたのです。

この旅では、その人を通じて地域を知り、その人の人生哲学を知るという旅体験ができました。これはいわゆる旅館やホテルに泊まって寝るだけとは全く異なる体験で、自分の人生を考えるよいきっかけにもなりました。この経験を通じて、このような新しい旅の形を日本中でどんどん増やしたいと思うようになりました。

Q:Airbnb社との提携について詳しく教えてください。

シェアリングエコノミーを活用した新しい働き方の創造を目的として、今年の5月にAirbnb社と業務提携をしました。具体的には「地域おもてなしホスト育成プログラム」というプログラムを共同開発し、地域におけるホームシェアホストの育成を始めています。

取り組みのきっかけは、愛知県の限界集落のとある古民家にお伺いしたときにさかのぼります。その古民家では70代のシニア夫婦の方がAirbnbのホストをやっています。週2、3日は外国人ゲストを泊めて、昼間はスペースシェアリングで撮影会をしたいコスプレイヤーに古民家を貸していたり、古民家の隣では蔵のカフェを経営していたりする、とてもユニークな方です。

その方に「Airbnbホストのやりがいは何ですか?」と聞いたところ、「普段はコミュニケーションをとる機会がない海外の方と交流できることが楽しい」「その人たちが自分の家を褒めてくれるのが嬉しい」と話してくれました。そして、今はゲストとより深くコミュニケーションをとるために語学の勉強をはじめたり、ウェルカムボードを作り始めたりしているとのことでした。その方にとっては、ホストの仕事が「やりがい」を超えて「生きがい」になっていたのです。また、その方はもともと息子のサポートを受けてホームシェアホストを始めたという経緯があり、お話をしている最中も息子のお名前をよく口にされていました。それを聞いていて、もしホストをやらなければ息子との絆もここまで深まることはなかったのではと感じました。

このとき、こうした地域の方々がホームシェアホストにチャレンジする際に、その「息子」の役割をパソナとして担えないだろうかと思ったのです。それが「地域おもてなしホスト育成プログラム」の原点です。「ホームシェアホストをやってみたいけど、自分だけだと怖くてチャレンジできない」という方々に息子のように寄り添い、息子のように信頼関係を作り、サポートしていく。そうすることで、地域の人々の生きがいとなる仕事創りにつながるし、その人自身の人とのつながりを増やしていくこともできるのではないかと思いました。

Q:素敵なお話ですね。今後は具体的にどのような取り組みを展開予定ですか?

現在は、Airbnb社との提携により「地域おもてなしホストセミナー」を開始しています。現状ではそもそも「ホームシェアリング」や「地域おもてなしホスト」という働き方の認知度自体が低いので、まずはこうした働き方があるということを全国で普及させていこうと考えています。

6月、7月はテストとして東京、大阪で3回セミナーを実施しました。ホームシェアリングのやりがいや面白さ、法律面の話などを基礎編として情報提供しながら、実際にこれからホストをやってみたいという方たちが何に困っており、今後どうしていきたいかというニーズを拾っていました。9月以降は東京、大阪以外の地域で展開していく予定ですが、そこでは地域の自治体やDMO、農泊団体、コワーキングスペースなど地元の方々と連携しながら、地域に密着した体制でセミナーを開催していく方針です。

Q:セミナー参加者の反応は?

「地域おもてなしホスト」にチャレンジしてみたいという声は非常に多かったですね。やりたい理由としては「ライフスタイルに合わせて働ける」「外国人と交流できるのが面白そう」「英語の勉強になる」といった声が挙がっていました。なかには「自分が海外にいったとき、ホストにすごくもてなしを受けた。そのことに感謝していて、お返しをしたい。自分がお返しすることで、またその人が違う人にお返していくという感謝の好循環を作りたい」いう感動的なエピソードを教えてくださった方もいました。また、「ゲストが来てくれること自体が自分の喜び」だと話すシニアの方もいました。

ホームシェアリングの価値は非常に多様で、人によっても捉え方は違います。ただ一つ共通しているのは、人と人との交流によって、嬉しい気持ちや楽しい気持ち、感謝の気持ちが生まれるということではないかと思います。

阿波踊りのイベント民泊という挑戦

Q:新たな試みとして、阿波踊りのイベント民泊を手がけています。経緯は?

弊社の社員の親戚で徳島に縁がある方がおり、その方たちと徳島を盛り上げる地域活性化プロジェクトができないかという話をしていました。そのなかで、徳島市の阿波踊りは開催4日間で130万人を超える人々が訪れるにも関わらず、宿泊施設が不足しているという課題を知りました。

観光産業にとって、「宿泊」はキーポイントとなります。「宿泊」さえ提供できれば、夜ご飯や朝ご飯の提供はもちろんお土産の購入や周辺エリアの観光にもつながりますし、何より旅に来た人と地域の人々が交流する時間を増やすことができます。

それがホテルや旅館ではなく民泊、特に家主居住型の民泊ともなれば、ホストとの交流も発生するため、より地域の美味しいお店や特産物、素晴らしい周辺観光コンテンツに出会える可能性が高くなります。これは非常に面白いプロジェクトになるなと感じました。そこで、徳島市と協力してイベント民泊を実施することになりました。

Q:受け入れに手を上げたホストはどんな人が多いか?

現時点(7月21日時点)で受け入れに協力してくださるホストの方は28名、合計の提供部屋数は50部屋、合計の宿泊可能人数は186名となっています。通常の中型ホテルが2~3件建ったというイメージでしょうか。ホストの方の傾向としては、40~50代の働き盛り世代、引退後のシニア世代の方が2:1の割合になっています。働き盛り世代のホストの方は企業勤めの方もいれば自営業の方もいて、一人暮らしの方と家族同居の方も半々ぐらいと非常に多様でした。

また、特に印象的だったのは、日本人はもちろん外国人も積極的に受け入れたいという方が約5割もいたことです。現状、日本では地方は特に民泊そのものが普及していませんし、日本人を泊めるのすら不安な方が多いと考えていましたので、この割合はとても高いと感じました。これも実際にやり始めてみて新たに気付いた点です。

Q:地方での民泊を盛り上げるには?

まずは、ホームシェアホストという新しい働き方を周知することが大事です。ホストの仕事の意義や本質的な面白さを伝えていくことで、自分もやってみたいなという人を増やしていくことが最初の段階です。しかし、実際にやってみるとなると、不安なポイントはいくつも出てきます。「どういう人が来るのか分からない」という不安、「実際に来てくれたゲストにちゃんとおもてなしできるか」という不安、そして「行政手続きをどうすればよいか分からない」という不安もあります。これらの不安にしっかりと寄り添いながら対応していくことが大事です。

「どんな人が来るか分からないから不安」という方に対しては、パソナではホストの方が信頼できる人を一緒に探し、その人を受け入れるところまでをサポートします。これはAirbnbの仕組みでも比較的解決できる部分です。また、「ゲストの受け入れ方が分からない」という方については、受け入れ準備も一緒に行います。ゲストとして民泊を経験し、ゲストの視点を得るというプログラムや、ゲスト対応に必要な最低限の接遇マナー、コミュニケーションを一緒に学んでいくなどです。行政手続きについては専門家と連携しながらサポートします。このように、ホストを始めるにあたっての安心・安全な環境を作っていくことが、地方で民泊を盛り上げるうえで重要だと考えています。

農泊ムーブメントを起こす

Q:イベント民泊とは別に、農泊の事業も進めていますね。

パソナでは2003年から農業分野における雇用創造プロジェクトに取り組んできました。これには食料自給率の向上や農家の担い手不足の解消、日本の農山漁村地域にある貴重な自然や文化の保護といった様々な意味合いがありますが、こうした取り組みを進めるなかで、「農山漁村地域で滞在する」という体験は、観光産業としても十分に成り立つ高いポテンシャルがあると感じていました。

また、観光産業が農業や漁業を本業とする方の新たな副収入源となれば、地域の人々の生活安定や雇用創出にもつながるとも考えていました。こうしたなかで、Airbnb社との提携やインバウンドの増加もあり、農泊はこれから面白い領域になるのではと考え、農泊事業に取り組むことを決めました。

Q:具体的な取り組みは?

政府も農泊の推進をしていますが、農泊を盛り上げるためには農泊を受け入れるホストや農泊ホストを支援するコーディネーターを育成し、増やしていくことが重要です。人材育成はパソナの本業でもあるので、まずはそこから注力していきたいと思っています。

現在は先進的に農泊を行っている受入団体と、これから地域で農泊をやってみたい方々を両方募集しており、今後は両者をマッチングしていきます。農泊を始めたい人には一定期間農泊の先進地域に滞在してもらい、そこで一緒にノウハウを吸収してもらう。その後は自分の地域に戻って農泊事業を始めてもらうという動きにつなげていければと考えています。

また、将来的には全国の農泊地域の人的ネットワークを構築するカンファレンスも開催予定です。全国各地にある農泊地域の農泊事業経営ノウハウを共有し、人的交流も進めることで事業連携も生み出し、新しい農泊ムーブメントを起こしていければと考えています。

「人に会いに行く旅。」宮城ではじまった地域主体の民泊

Q:民泊に慎重な自治体も多いなか、宮城では地域主体の取り組みが始まりました。

宮城では、パソナグループが地元企業らと共に設立した宮城県南の4市9町を対象とする「一般社団法人宮城インバウンドDMO」という組織があり、そこで新たに「民泊推進ワーキンググループ」を立ち上げました。これは、地域で民泊をやりたいホストと、それを応援したい人で構成されており、地域全体として民泊をどのように進めていくかを議論するワーキンググループです。

宮城県南地域には観光地もあるのですが、他の地域と比較して何よりユニークなのが「人」でした。農家民宿を地域で最初に始めた方、炭焼き職人、DIYが得意な移住者などユニークな方が多く、「人」が一番の魅力でした。私自身も実際に5名のホームシェアホストの方とお会いし、とある方のホストの自宅に泊まってゲスト体験もしてきましたが、非常に貴重な経験となりました。そこで決まったのが「人に会いに行く旅」というコンセプトです。

Q:「人に会いに行く旅」とは?

この「人に会いに行く旅」には2つの意味があります。一つは「地域の人」に会いに行く。二つ目は「新しい自分」に会いに行くという意味です。実際に地域の人と一緒に暮らし、現地の生活を体験することで、その人との交流を通じて地域の文化や地域の人々の精神性に深く触れることができます。そして、それらに深く触れることは自分の人生を考えるきっかけになり、新しい自分の発見にもつながります。

旅のスタイルが「観光消費型」から「現地生活体験型」にシフトしているなかで、人々の旅の目的は「観光地」から「人」にシフトしています。第二、第三のホームタウンができる旅。新しい人生が始まる旅。こうした新しい旅のスタイルを作っていければと考えています。

民泊推進ワーキンググループの様子

なぜ、人材企業のパソナが民泊をやるのか?

Q:様々な民泊事業を手がけているが、なぜ人材企業のパソナが民泊をやるのか?

パソナとしては、観光立国・人生100年時代の新しい働き方を我々が創り出し、社会にしっかりと発信していくことが使命だと考えています。世界観光機関のデータを見てみても、アジア太平洋地域に着地する観光客は世界で一番伸張率が高く、世界の産業GDP比率を見ていても観光産業の比率は伸びています。未来を考えれば、観光を仕事にする人は日本でも間違いなく増えていくことが予想され、政府もそれを見据えて観光立国を推進しています。

一方で、人生100年時代においては企業で働いた後のセカンドライフとして、またはセカンドライフを見据えたパラレルキャリアとしてやりがいを持って取り組める仕事の創出が求められており、そこで観光の仕事は一つの魅力的な選択肢となります。

この需要と供給のマッチングは市場としても可能性を秘めていますし、今後、未来の仕事として選ばれていくことは間違いないと確信しています。人生100年時代の新しい働き方として「地域おもてなしホスト」を推進することは、パソナの理念である「人を活かす」につながるのです。

Q:パソナにとって「民泊」はあくまで人材事業であると。

民泊には、家主不在型の民泊を効率的に運用し、収益率を高めていくという不動産ビジネスもあります。一方で、我々は「社会の問題点を解決する」という目標を持ち、一人ひとりが才能や能力を活かして働くことを支援するため、人材サービス事業に取り組んでいます。

我々が目指しているのは、地域の人々が世界的に成長している観光産業に対して、自分の遊休資産やありのままの暮らしをシェアすることで、新たな働き方を創造することです。共助の精神を前提とするシェアリングエコノミー時代においては、新たな人との交流によって文化資本や社会関係資本が構築され、これらの資本は経済資本の構築にもつながると考えています。

弊社が提供している「地域おもてなしホスト」も、「民泊ホスト」と置き換えられがちなのですが、実は民泊だけにとどまらず、その方が持っている知識やスキル、資産などをシェアすることでサービスを提供するというより包括的な新しい働き方のことを指しています。

我々が今まで接してきた地域おもてなしホストの方々も、民泊だけをやっているわけではありません。地域の仕事をいくつかやっているパラレルワーカーや、主婦業をメインに扶養の範囲内でホストをしている方、シニアで年金生活をしながらプラスアルファでホストをしている方など、働き方は多様です。我々としては、民泊ホストになって稼働率を上げて稼いでいこうということではなく、「自分の人生を表現する働き方」を提案するという意味で「地域おもてなしホスト」を推進しています。

結局は「人と人とのマッチング」

Q:新しい働き方を提案するうえで、パソナの役割は?

我々は、ホストの方をお客様と捉えてサービスを提供するのではなく、パソナとホストがパートナーとなって一緒にシェアリング事業を作っていくという姿勢でいます。ホームシェアホストの方は事業のパートナーであり、お互いの得意分野や強みを掛け合わせながら一緒に取り組んでいきます。

地域のホストの方は部屋を持っていますし、その地域に関する知識や面白いスポットを案内するスキルも持っています。何よりホストの方自身がその人生哲学も含めて面白く魅力です。

パソナとしては、そうした方々の強みをしっかりと理解したうえで、Airbnbなどのツールも活用しながら、その方々に共感するゲストをつなぐサポートができればと考えています。人材サービスにおいては、企業に合う人を紹介する、人に合う企業を紹介する、というマッチングが重要となりますが、我々はそのノウハウを活かしてホストの方に合ったゲストを集客するサポートをしていくことを考えています。

Q:ホストとゲストのマッチングですね。

ホストの方はどんな人が来るかが不安ですし、ホストとしての仕事にやりがいを感じてもらうためには、ゲストがどういった方なのかもとても重要です。また、ゲストにとっても、ホストの魅力に惹かれたうえで「人に会いに行く旅」をすれば、それは素晴らしい旅体験となります。その意味で、ゲストとホストのマッチングは非常に重要なのです。

シェアリングワークは、「人を活かす」というパソナの理念に通じる事業です。ホストに対しては、自分のライフスタイルに合わせてありのままの自分で生きがいを持って働ける選択肢を提供できる。ゲストに対しては、新しい旅体験を提供することで「人生が変わる」きっかけを提供できると考えています。

民泊ホスト、事業者へのメッセージ

Q:最後に、ホストの方や事業者の方へメッセージをお願いします。

まず、自治体の皆様に対しては、地域における民泊や農泊推進、シェアリングシティの推進を一緒にできればと考えています。

シェアリングサービスを提供している事業者の方々については、シェアリングワークのサポートパートナーとして、地域おもてなしホスト等のシェアリングワーク推進に一緒に取り組んでいければと思っております。

そして、企業の方にご提案したいのは、地域おもてなしホスト等のシェアリングワーク推進を、従業員の方のパラレルキャリア推進やセカンドライフ支援の文脈で一緒に企画していきたいと考えています。

ホストの皆様には、自身のスキルや資産、地域の魅力、文化や歴史などをゲストにシェアし、もてなしていくという新しい働き方を、パソナが提案していきたいと考えています。

インタビュー後記

インタビューを通じて加藤氏が一貫して強調していたのは、民泊が生む「人との出会い」に価値があるということだ。同氏の話を聞くまでは、人材企業であるパソナがなぜそこまで民泊に一生懸命取り組むのか、いまいち理解しきれない部分もあったが、一通りの話を聞いてその理由がはっきりとした。

同社が目指しているのは、ホストに対して人生100年時代に自分らしく生きがいを持って取り組める新しい働き方を提供することであり、ゲストに対しては自分の人生が変わる体験を提供することだ。そしてそれを実現するうえで重要なのは、ホストとゲストのマッチングだ。

人材ビジネスにおいては、企業と求職者をマッチングさせるためには、企業の魅力がしっかり反映された求人票と、求職者の魅力がしっかり反映されたレジュメの2つが必要だ。どちらの情報に過不足があっても良いマッチングは生まれず、結局はお互いありのままの姿を見せたほうがうまくいく。

民泊においては、ホストの魅力がしっかりと伝わるリスティングがAirbnbのようなプラットフォームに掲載され、それに共感し、興味を持ったゲストが「その人に会いにいく旅」をする。そのためのリスティング作りや、ホストの魅力をしっかりとゲストにアピールし、ゲストを集客してくることがパソナの仕事であり、「人のライフプロデュース」を生業とする同社にとって、民泊を通じた人のマッチングは、まさに本業そのものなのだ。企業のなかで働くという選択が当たり前ではなくなってきた今、人材企業のパソナが「おもてなしホスト」という新しい働き方を提唱するのは、言ってみれば当然の流れなのかもしれない。

また、その民泊を通じたマッチングにより地域活性や雇用の創造を実現することができれば、それは「社会の問題点を解決する」といパソナのミッションにもぴったりとあてはまる。民泊に取り組む不動産会社が「ハードのインフラ」をつくる企業だとすれば、パソナは「ソフトのインフラ」を作る企業だ。民泊の面白いところはその両者に価値があることであり、最高の「おもてなし」は物件や設備といった「ハード」と、コミュニケーションや体験といった「ソフト」が掛け合わさることで最大化される。

同社の理念に共感し、共に民泊の事業を手がけていきたいという個人ホストの方や企業の方は、ぜひパートナーシップを検討してみてはいかがだろうか?

(MINPAKU.Biz 編集部)