海外はどうなっているの?民泊をめぐる海外の規制状況まとめ

民泊は解禁されるの?規制緩和に向けた動きまとめ」という記事でもご紹介した通り、現在日本では内閣府の規制改革会議の中で出された「規制改革に関する第3次答申」をベースとして、厚生労働省や観光庁を中心に民泊解禁に向けた議論が進められています。

しかし、規制緩和の行方を考える上で気になるのは海外の動向です。一体海外では「民泊」をめぐる規制はどのようになっているのでしょうか?そこでここでは、海外の規制動向についてまとめました。

海外主要都市の民泊規制状況一覧

厚生労働省が「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の検討資料の中で、海外主要都市の民泊をめぐる法規制状況について公開しています。

国・都市 貸主に対する規制 仲介事業者に対する規制
イギリス(ロンドン)

●建物の転用許可が必要
●ただし、90日以内で住居を一時宿泊施設にする場合は許可不要(2015年5月~)
なし
フランス(パリ)

●自治体への届出が必要(パリ市等の場合は、利用形態変更の許可が必要)
●年間8ヶ月以上居住の場合は対象外
滞在税について、仲介事業者が納付代行(2015年10月~)
スペイン(バルセロナ)

●自治体の許可、利用者へのサービス保障、利用者の身分証の登録と警察への情報提供

なし
イタリア(ローマ)

●営業に当たっては事前の自治体への届出と承認が必要
●ベッドルーム数、部屋の広さ等について規定あり

ドイツ(ハンブルク) ●所有者が年間4ヶ月以上居住の場合に観光客への貸出可能
●許認可が必要 等(2013年5月~)
●ベルリン特別市では、住居の目的外使用には許可が必要(2014年~)
当局の許可を得ていない住宅の広告を掲載してはならない
オランダ(アムステルダム)

●利用者の滞在が2ヶ月まで、同時の宿泊者は4人までであること等を条件として許可は不要 旅行者税の自動支払いに関する契約(2015年1月~)
オーストラリア(NSW州、VIC州、QLD州) ●QLD州ではパーティ利用について制限できる旨の州法
●これに基づきゴールドコーストではパーティー利用について禁止(2014年~)
●構造規制、立地規制について改めての許可の要否について訴訟になった
なし
カナダ(トロント) ●自治体によっては、B&Bについては事業許可が必要(自宅の部屋の短期間賃貸・アパート又貸しは該当しない)
●賃借中の家屋の譲渡・又貸しには大家の事前同意が必要 等
アメリカ(ニューヨーク) ●3戸以上が入居する共同住宅で、入居者が不在の状態で、30日未満の貸出を行うことは違法
●これ以外の建築物でも、許可なしに使用用途を変更し短期滞在の貸出を行うことは違法
なし
アメリカ(ポートランド) ●開始前に市からの許可と更新が必要
●貸出者は年間270日以上の当該住居への居住が必要(以上2014年9月~)
●集合住宅でも解禁(2015年2月~)一貸出人の貸出期間は30日まで
●宿泊税の納付(宿泊料を受理した業者)
●市の要請に基づく、貸主・物件の情報公開
アメリカ(ナッシュビル) ●貸出者は毎年市からの許可が必要
●一度に4部屋以上の貸出禁止、騒音等規制、食事の提供場所規制 等(2015年2月~)
アメリカ(サンフランシスコ、
サンノゼ)
●短期賃貸物件としての届出・許可が必要(サンフランシスコ)
●貸主が市外に出る場合、連絡先登録が必要。貸出は年間180日まで。(サンノゼ)
●貸主に対する注意喚起が必要(又貸しの違法性等)。(カリフォルニア
州法)(2016年1月~)
シンガポール ●住居の賃借について、6ヶ月未満の賃借は禁止 なし

(※厚生労働省「諸外国における規制等の状況について」を基に作成)

上記を見て頂ければ分かる通り、Airbnbなどの民泊サービスをめぐり法規制との兼ね合いが議論されているのは、何も日本だけではありません。Airbnb発祥の地であるアメリカ、サンフランシスコでさえも、現状では届出・許可なしに自宅を宿泊施設として有料で貸し出すことは法的には認められていないのです。

民泊容認派の代表格、ロンドンとアムステルダム

民泊をめぐる法規制や姿勢は各都市によって大きく異なりますが、中でも民泊容認スタンスの代表的な都市として挙げられるのが、イギリスの首都ロンドンと、オランダの首都アムステルダムです。

ロンドンは、2015年5月以降、90日以内で住居を一時的に宿泊施設として貸し出す場合には、許可は不要となっています。また、アムステルダムでも、利用者の滞在が2ヶ月まで、同時の宿泊者が4人まで、などの条件を満たせば許可は不要となっています。

仲介業者に規制があるパリ、ハンブルク、ポートランド

また、仲介業者に対する規制をかけている都市もあります。フランスの首都パリでは、2015年10月から、宿泊者の滞在税の納付を仲介事業者が代行しなければいけなくなりました。アメリカのポートランドも同様です。また、ドイツのハンブルクでは「当局の許可を得ていない住宅の広告を掲載してはならない」という広告活動に関する規制もあります。

日数制限を求める住民投票が否決されたサンフランシスコ

Airbnbをはじめとする民泊サービスに対する対応については、世界各地でも様々に議論が巻き起こっています。2015年11月3日には、Airbnbが本拠を置く米国サンフランシスコで「民泊サービスにおいて自宅を賃貸できる日数の制限を受け入れるべきかどうか」を問う住民投票が行われ、55%対45%で日数制限案が否決されたことで話題を呼びました。

今後も法規制は変わっていくことが予想されます。海外の規制動向は日本の政策意思決定の際に参考にされることもありますので、引き続き主要都市の動向についてはMIMPAKU.Bizでもウォッチしていきます。

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(MINPAKU.BIz 編集部)

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